桜の花の下には?

なんか各種MMOで桜の花追加しているゲームがあるようですな。

さくら

日本では最も愛し親しまれている花であろう。その美しさ故、「桜の下には死体が埋まっている」な〜んて話がある。
曰く「人の血を吸って、あの色に染まるのだ」と。
まぁ、綺麗過ぎて怖いと言う話の筋かもしれない。あと、結構花見の季節って夜は寒い。熱燗がないと凍える程度に。
(場合によっては昼間席とりしている時も寒い:バイトF君談)
夜桜見ながら酒盃を傾け、ふと風が吹いたときの寒さがその連想を生むのかもしれないね…

 

と、あくまで「桜の花の下には…」「例え」と考える向きもあろう。
実は…本当に桜の下には死体が埋まってたのかもしれないのだ。

桜で最も有名なのは「ソメイヨシノ」(染井吉野)である事に異論を唱えるものは居ないだろう。この桜、江戸時代後期〜明治初期に品種改良を加えて作られた種であり、自然に存在する桜ではない。
大島桜と江戸彼岸の雑種。種として認められた桜じゃないんですな。
意外と寿命が短い。生命力が弱いのもあるし、種(種子:いわゆるサクランボ)を残さないのだ。

さて、このソメイヨシノは江戸末期に「染井村」(東京都の巣鴨〜駒込近辺)で「吉野桜」と言う品名で売り出されていたらしい。生育が早く花も見事なので観賞用に広まったらしいのだな。

その近辺で今もなお桜の名所として知られる場所がある。実はその場所…墓場なのだ。その名もズバリ「染井霊園
明治初期に公営で作られた霊園の一つである。
霊園と言ったって実際に死体埋める訳ではないし…と早合点はいかん。江戸時代までは死体はでかい樽に入れてそのまま土葬していたのだ。火葬は古来から存在したが、実際に庶民に受け入れられたのは割りと最近である事を知る人は少ない

その意味で、昔の文豪が散策した桜咲く美しい風景の下には実際に死体が埋まっていた可能性もある。
ひと時世を謳歌するが如く咲き乱れ、何も残さず散っていくソメイヨシノに人生のはかなさを感じ取ってしまったり、欧米圏のように「時を惜しめと乙女に言う」事もあったかも知らん。

しかし、実際に死体が埋まっていたと考える人間は少ないようですな。

 

余談:
元々染井村近辺では植木の栽培が盛んだった。しかし大正初期に職人が一斉に埼玉県大宮に移住したという。移転先の名前は「盆栽町」であり、まだこの地名は実在する。

ソメイヨシノを開発したと言われている人物は…記録が無い。実際に公的な資料では「ソメイヨシノは江戸末期から明治初期に突然現れた」とされている模様。その染井園芸を有名にした人物は「伊藤伊兵衛」と言い、色々な品種改良を行った模様。この人の作品で最も有名なのが「霧島躑躅(キリシマツツジ)」であり、JR駒込駅周辺部に躑躅が多いのはその業績を慕ったものであると言う。

私の実家には引っ越してから数年、花をつけなかったソメイヨシノがあった。恐らくはその木のすぐ下で愛犬フジ丸が良く昼寝をし、時たまマーキング(まぁ、おしっこだ)をした為に花を咲かせなかったのだと思うが…(ソメイヨシノは非常に弱い桜である事に注意。栄養やりすぎも良くないのだ)
かの犬の没後1年。その亡骸(無論、荼毘に付した後の奴)を彼の大好きだった桜の木の下に葬り、簡単な墓を建てた。
するとどうだろう? 翌年から見事に花を付け出したではないか!
両親も私も「花さか爺さんではないが…」と喜び、彼の死が桜を間近に控えた時期であることもあって…我が家では彼の供養を兼ねて盛大に花見を行う習慣が出来た。
…そう喜んでいる家人に「ションベン引っ掛けなくなって、もう一匹も墓建てたから寄り付かなくなったので…環境変ったから花咲くようになったんだYo!」とは私も言えない。これこそ「言わぬが花」と言う奴であろう(ギャフン)